親愛なるびっけへ
「びぃちゃん、」
「またお花が届きましたよ♪」
「いっぱいのお花に囲まれて幸せだね」
あなたが楽になれて、
また三人娘の末っ子に戻れて、
疲れ知らずにわがままし放題に戻れたと思うと、
「これで(最期は)良かったんだよ。きっと」
そんな風に思える時があったり、
実感がなく、
「またびっけは、いるもん」
と思える時もあったり、
「もういないんだな」
「会えないんだな」
「撫でられないんだな」
と凄く寂しくなったりと、
色々な複雑な気持ちでいます。
ただ言えるのは、
どんな心境でも、ポカンとした空白があり、「あなたがいる」 と思えている時も、
胸狂わしく、空白の穴は、開いたままで、元気がでてきません。
「びっけ、」
「参っちゃうよ… (苦笑)」
あいんとのお別れの時は、あいんが生き返る夢を見ましたね。
今、あなたの番になって、昨晩、あなたの夢を見ました。
その、夢の中のあなたは、まだ、年老いたままで、自立歩行もままならない姿でした。
でもね、
自分で立ち上がる事もできず、立たせてもらえば、どうにか歩ける。
そんな姿のあなたでしたが、
「やっぱり、びっけは、びっけだね」 って事をしたのですよ。
それは、
ふらつきながらも、そのまま川に向かって一生懸命に歩き、
そして、川へ飛び込んだんですよ。
「もうもう、ビックリしちゃいましたよ。(微笑)」
川に飛び込んだ後、あなたは、そのまま頭から沈んみ、そのままに。
それを見て、急いで私も飛び込んじゃいましたよ。
スマホやら、財布やらをポケットに入れたままね。
「もう、」
「びっけは、」
「どこに行っても、」
「いくつになっても、」
「年老いても、」
「びっけは、びっけのままなんだから… (苦笑)」
一生懸命に川に向かって歩く後姿は、今でも目に焼き付いています。
きっと、びっけは走っているつもりだったのだと思います。
「びぃちゃん、」
「あれは、どう見ても、少し早目の歩きにしか見えませんでしたよ。」
「一心不乱で、若い頃のように走っているつもりだったみたいですがね。 (微笑)」
「…」
「もう一度、」
「川に向かって走る、あなたの姿がみたいです。」
「大好きな川に連れてってあげたかったです。」
「しっぽブンブンで、大好きなダミーを追いかけるあなたの姿を…。」
それじゃ、
びっけ、
またね。